神経質礼賛 2365.オールド・ヴァイオリン
今までメインで使っているヴァイオリンは40年前、医大オーケストラにいた時に買ったものだ。ラベルなし製作年不明のかなり古いドイツ製のオールド・ヴァイオリンだ。いくつかの楽器を試奏して弾きやすいものを選んだら、7/8あるいはレディースサイズと呼ばれる小ぶりの楽器だった。手が小さい私には向いていたのだろう。普通サイズは胴の長さが355mmのところ、1cm短い345㎜である。柔らかく優しい音色でとても気に入っているが、音量がやや小さく、G線(一番低音の弦)のハイポジションが鳴りにくい。持主に似て、ちょっと引込思案の神経質な楽器と言えそうだ。一昨年と昨年、ヴァイオリンソナタをAOIホールで弾いた録音を聴くと、ピアノの音量に完全に負けてしまっている。いつも伴奏してくれる友人からは、「新しい楽器を買わない?」とよく言われていた。確かによく鳴る楽器は欲しいけれども、もう終活の年頃であり、楽器が弾けるのもあと5年から10年位がいいところだ。子供が一時期使ったヴァイオリン、エレキヴァイオリン、1859年製の小型オールド・ヴィオラも持っていて、楽器をこれ以上買うのもなあ、と思っていた。
ところが、先週、高校の弦楽合奏部の後輩でプロのコントラバス奏者から「プロのヴァイオリニストが使っていたオールド・ヴァイオリンがあるから買いませんか」という連絡が入った。とりあえずお借りして試奏してみることにした。ラベルにはGEORG KLOTZ 1779とあり、250年近く前に作られたドイツ製のオールド・ヴァイオリンである。音の芯がしっかりしていて、よく響く。思い切って買うことにした。
ヴァイオリンは良い楽器で手入れが良ければ300年以上でも生き続ける。今までいろいろな国のいろいろな人の手を渡り歩いてきたのだろうなあと想像する。
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