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2025年7月 3日 (木)

神経質礼賛 2362.森田神経質健在

 長年の精神科病院勤務からクリニック勤務に切り替わって3か月。ようやく新しい生活パターンにも慣れてきた。仕事の上では受診される患者さんの層の違いを感じている。精神科クリニックでは精神科病院の患者さんに比べたら軽症の方が多いけれども中には治療歴の長い統合失調症や双極性障害の方もおられる。産婦人科クリニックでは軽うつや神経症圏の方が圧倒的に多くなる。精神科クリニックの敷居は低くなったとは言え、まだ気軽に相談に来院するにはちょっと抵抗を感じる方も少なくないだろう。その点、産婦人科クリニックだと、月経不順や更年期の種々の症状で来院される方も多く、精神科もあるならばついでに診てもらおうか、というニーズもある。

 そんな中、不眠やイライラを主訴としているけれども、よく話を伺うと、自分自身に対しても他人に対しても厳しく、完全欲が強い・生の欲望が強い森田神経質と読める人が少なからずおられる。学校や職場や家庭では一生懸命に真面目にやっているが十分に成果が出ていないように感じてあまり自信が持てず、ズルをしたりハッタリをきかせたりして成功するような人間に対しては強い憤りを覚えてイライラする。そうした方々には今のあなたは立派にやっていますよ、と伝えている。森田神経質があまりいなくなったとはよく聞くけれども、まだまだ健在である。

森田先生は次のように言っておられる。

 「自分は頭が悪い、読書が少しもできぬ」と苦しむ人が、学校成績は一番になったりする事もあるように、およそ神経質は、何事につけても、いわゆる劣等感で、自分の悪い方面ばかりを考えるものであるから、事実においては、神経質は常に善良優秀なる人であるべきである。これがすなわち我々が、神経質に生まれたという事を感謝すべき事柄であります。これに反して、ヒステリーとか・意志薄弱性素質とかの人は、常に自分のよい面ばかりを考えて、独り得意になっているから、丁度神経質と反対になります。(白揚社:森田正馬全集第5巻 p.433)〔最後の一文を読んで、A国のT大統領を頭に思い浮かべるのは私だけだろうか〕

 

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