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2025年8月 7日 (木)

神経質礼賛 2373.砕啄同時(啐啄同時)(2)

 「調子が悪くて1週間前から仕事を休んでいる」というような人がよく新患でやってくる。最初は有休消化で対応してもらっていても、1週間位になってくると会社側から医療機関を受診して診断書を書いてもらうように、と言われて受診することになる。うつ病のため食欲低下・意欲低下・集中力低下が目立つ方もいるが、数から言うと、適応障害あるいはそれに軽度うつ状態を伴った方が多い。診断書の休養加療が必要な期間として、その人の状態により2週間から長くて2か月という判断を書いている。

 うつ病の方の場合は休養と薬物療法で徐々に改善して、良くなってくると本人から「周りの人に迷惑をかけているから早く復帰したい」「薬に頼りたくないからやめたい」というような発言がみられるようになる。しかし、症状の揺れ戻しもありうるし、症状が良くなってから半年は抗うつ薬を継続する必要があるので、「焦らないでもう少し時間をかけて着実に治していきましょう」と説得することになる。一方、適応障害の人の場合、休みはじめはよいのだが、だんだん休養期間の終わりが近づいてくると不安になり、「行けそうもないです」「産業医の面接が怖いです」という発言がみられるようになる。そうなると、その人の状態をどう判断するかが重要になってくる。日常生活状況をよく聞いた上で、少々抵抗はあっても行き出せば何とかなりそうであれば、「ズルズル休み続けると敷居が高くなってしまうので、ダメ元でそろそろ行ってみてはどうでしょうか」と背中を押すし、やはり本当に無理そうであれば「では、もう少し休養期間を延長する診断書を書きますが、復職に備えて朝は決まった時間に起きるようにして、出勤の代わりに時々図書館に行ってみてはどうでしょうか」と勧めている。このあたりは、入院森田療法の退院タイミングの判断とよく似たところがある。まさに卵の中の雛が殻を破ろうとするのと親鳥が卵の外からくちばしでつついてそれを助けるタイミングが合う砕啄同時(啐啄同時)(440話)というわけである。

 

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