神経質礼賛 2396.ファニー・メンデルスゾーン
メンデルスゾーンの姉ファニー(1805-1847)について調べようと手持ちのクラシック音楽作品名辞典(三省堂)を開いてみる。弟フェリックス・メンデルスゾーン(1809-1847)の前に少しだけ記事があるが、曲名はピアノ曲1曲と歌曲6曲しかなく、ピアノ三重奏曲は載っていなかった。歌曲は弟の作品として出版され、その中の「イタリア」という曲は当時イギリスのヴィクトリア女王の愛唱歌になったという。ファニーは優れたピアニストで作曲の才能にも恵まれていたが、当時、音楽の世界も男社会であって女性が作曲家になることは難しかった。モーツァルトの姉ナンネルが優れた音楽的才能を持ちながら作曲家として世に出られなかった例もある。また、身分社会だった当時、音楽家は貴族や知識人とより下の職人階級とみなされていたし、メンデルソゾーン家のような上流階級の女性が職に就くことははしたないことだとされていた。公的な音楽活動を父親から禁じられたファニーは弟の曲を批評したり助言したりして弟を支えた。宮廷画家ヴィルヘルム・ヘンゼルと結婚し、ファニー・ヘンゼルとなってから、理解のある夫の勧めで音楽活動を始める。ピアニストとして活躍し弟のピアノ協奏曲第1番の初演を行い、自作の曲を出版するようにもなる。ところが、弟の作品のリハーサル中に脳卒中で倒れ、亡くなってしまう。これは弟フェリックスに大きなショックを与えた。弟も同じように脳卒中をきたして同じ年に亡くなっている。今回演奏されたピアノ三重奏曲はファニーの死後に弟が校訂して出版された。作曲した作品数は600曲とも言われる。今後、埋もれている名曲が日の目を見ることを望みたい。
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