神経質礼賛 2420.消えゆく書店
診察を終えて席から立ちあがった男性患者さんが突然「あ、この近くに本屋さんはないですか」と言う。私と同年齢の男性である。精神科クリニック前の街道沿いには以前は広い駐車場のある書店があった。数年前に閉店になった。近くのバイパスのインターチェンジと交差する街道にも大型書店があったけれども今はない。考えてみれば駅前商店街にあった書店3店舗もすべて閉店になっている。駅直近にあった県内最大の書店が閉店している。今は駅近くの書店と言えば、駅ビルと商業施設に入っている2店だけしかない。代わりに増えているものと言えば、家族葬向けの小規模葬祭会館と整体院だ。
新聞に、秋葉原電気街に1軒だけあった小さな書店が閉店になるという記事が載っていた。電子部品店が並ぶ中、電子関係の書籍や雑誌、特に最新のトランジスタなどの半導体やIC(集積回路)の規格表の本は完璧に揃えている店だった。地方の書店には置いていない規格表をそこで買ったことが一度あったから見覚えがある。店主が亡くなった後、高齢の奥さんが一人で店を守ってきたが「だって売れないんだもの」とのこと。秋葉原も随分変わった。電子部品やオーディオ、アマチュア無線関係の店はなくなり、メイド喫茶さらにはアニメやフィギュアの店に変わってしまい、私が足を踏み入れることもなくなった。
以前は週に一度は本屋をのぞいていた。面白そうな本や雑誌があると手に取ってパラパラ見ては時々買っていたものだ。思わぬ本や雑誌との出会いがあって、これも一種のレジャーであり本屋は身近なレジャーランドだった。今は本を読まない時代。雑誌もどんどん廃刊になっていく。書店が次々と消えていくのは寂しい限りである。とはいえ世が移り変わっていくのはやむを得ない。時代の流れの中で新たな楽しみを探していくこととしよう。
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