神経質礼賛 2413.うつ病と診断されるためのマニュアル
最近、国民生活センターに寄せられる相談に「失業サポート業者」の問題が急増しているという。サポートを受けると失業保険の受給額や受給期間が増えるとうたっている。サポート費用として20~30万円ほど要求される。業者からは「うつ病と診断されるためのマニュアル」が送付され、退職日までに指定のオンライン診療のメンタルクリニックを受診し、うつ病のためすぐに仕事ができないという書類をハローワークに提出する、という流れだという。契約してしまって、「詐欺ではないか」とか「解約を拒否された」などといった相談が寄せられている。このマニュアルを実際に見たわけではないけれども、内容はあらかた想像できる。
もしもオンライン診察のメンタルクリニックが悪徳業者と結託していたら恐ろしいことである。病気でない人をうつ病に仕立てて診断書や意見書を書いてしまったら、詐欺の片棒を担ぐことになって、精神医療の信頼を失墜させてしまうことになる。精神科外来には「働けなくてお金がないから市役所に相談したら精神科を受診して障害年金診断書を書いてもらうように言われたから書いて欲しい」などと言って来るような人もいて、該当しないことを理由にお断りすることが時々ある。初診の時に詳しく問診するとともに、表情・態度・口調・動作などをよく観察していれば、シャーロック・ホームズでなくても詐病は見極めがつくことが多い。しかしながら、オンライン診療では対面診療に比べて得られる情報が少なく、ましてや病気と診断されるためのマニュアルを読んで演技されたら見破ることは困難だと思われる。会社を退職するための代行業者が話題になったが、今度はこれである。とんでもない時代になったものである。
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