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2026年5月31日 (日)

神経質礼賛 2470.サラ川

 第一生命がサラ川・・・「サラっと一句!わたしの川柳コンクール2025」のベストテン作品を発表した。以前は「サラリーマン川柳」だったものだ。読んでみると思わず顔が緩むとともに「あるある」と共感してしまう。10句のうち半数が急速なデジタル化の中での失敗や戸惑いをネタにしていた。

   第1位「キャッシュレス 充電なくなり 無一文」・スマホのキャッシュレス決済に慣れていると、スマホのバッテリー残量がなくなったらアウトである。時にシステム障害のために一時的にキャッシュレス決済ができないトラブルも起きうるから、現金もある程度は持っておく神経質は必要である。第2位「パスワード 記録したけど 記憶なし」、第4位「パスワード 思い出せずに また初期化」・最近は英大文字+小文字+数字の長いパスワードを設定させられることが多い。さらに同じパスワードを使っていると変更するように警告されることもあって、何度か変更しているうちに手帳に記録していても自分でもわからなくなることがある。さらにはやたら本人認証のSMSが送られてきてそれを入力しなければならず、デジタル化で面倒が増えている。第8位「キャッシュレス 増える決済 減る貯金」・キャッシュレス決済だと一体いくら使ったのか残金がいくらなのか見えにくくなってしまう。浪費癖や躁症状がある人でなくても、こんなに使っちゃったんだと愕然とすることがあるだろう。第9位「セルフレジ タッチパネルで 店主呼び」・私も無人のセルフレジが増えてマゴマゴしている一人である。商品のバーコードの読みが悪かったり、逆に2回読まれてしまって店員さんを呼んで修正してもらったりすることもある。デジタル化は一体便利なのか不便なのか。そして誰のためになっているのか。IT業界を繁栄させていることだけは確かであるが。

2026年5月28日 (木)

神経質礼賛 2469.劇伴

 今年の1月~3月にBSで放送された「京都人の密かな愉しみRouge・継承」(2424・2450話)というドラマの中で使われた音楽で非常に印象に残っているものがある。いわゆる劇伴(劇中伴奏音楽)である。第1回放送の冒頭に京田辺・大御堂観音寺の十一面観音像の画面で流れた曲はたびたび再登場し、最終の第9回に鴨川のほとりで女性が夜にアコーディオンを弾く場面でも使われていた。3拍子の古風な感じの曲で、無伴奏ヴァイオリン用にしてみたくなる。同じ3拍子でもお出かけシーンに流れる身も心も軽くなる「菓子折」と題される曲もあって、聴いていて心が浮き立ってくる。場面に適した音楽が充てられていると感じる。このドラマのいろいろなシーンで使われた数々の曲を「耳コピ」でピアノ演奏して動画配信している人もいて、ついつい全部聴いてしまった。ドラマを楽しみ、音楽でも楽しみ、まさに「一粒で二度おいしい」である。

 映画音楽や人気のゲームミュージックの場合、それ単独で高い存在価値を示すものがある。最近ではゲームミュージックの作曲者がもてはやされ、オーケストラのコンサートのプログラムに取り入れられることがある。日々放送されているドラマやアニメなどのTV番組に使われる劇伴にもすばらしいものがある。しかし、あまり目立ち過ぎてもいけないらしい。バレエ音楽も劇伴の一種と言えるだろうが、チャイコフスキー作曲の名曲「白鳥の湖」は当時の振付や舞台美術やダンサーが低レベルだったため初演で失敗したと言われている。

2026年5月24日 (日)

神経質礼賛 2468.最近の睡眠薬事情(ボルズィ)

 私が精神科医になった頃の睡眠薬といえば、短時間型のレンドルミン(一般名ブロチゾラム)、中時間型のロヒプノール・サイレース(フルニトラゼパム)、超短時間型のハルシオン(トリアゾラム)が多用されていた。いずれもベンゾジアゼピン(Bz)系薬剤で同じ基本構造を持っている。古くからあるバルビツール系睡眠薬のような呼吸抑制(自殺薬となるリスク)や強い依存性や耐性の問題は少なく安全性が高いと言われていたが、徐々に依存性や健忘や筋弛緩作用による転倒リスクの問題が言われるようになった。非ベンゾジアゼピン系睡眠薬マイスリー(ゾルピデム)、アモバン(ゾピクロン)、その改良型ルネスタ(エスゾピクロン)などが登場したが、これらもBz系ほどではないが類似した問題が指摘された。睡眠ホルモンであるメラトニンを増強するロゼレム(ラメルテオン)は副作用が少ない反面、効果が弱い。2014年に覚醒ホルモンであるオレキシンの受容体を阻害する薬剤としてベルソムラ(スボレキサント)が登場して高齢者にも安全で十分に効果があるということで、頻用されるようになった。さらに2020年に長時間型で併用禁忌薬がないデエビゴ(レンボレキサント)が登場。2024年12月に半減期が短めで翌日に残りにくいクービビック(ダリドレキサント)、2025年11月に同系統4剤目のオレキシン受容体拮抗薬ボルズィ(ボルノレキサント)が発売となった。このボルズィは半減期が2時間少々と極めて短く翌日への持越しが少ない。そのため、従来の睡眠薬が服用期間は運転禁止とされていたのに対して「慎重に判断」となっているのが特色である。とはいえ、併用薬との相互作用で半減期が大幅に延びてしまう場合もあるので、安易に運転して大丈夫とは言えない。入眠困難が主訴で働く人に適した薬剤であり、発売後1年経過して投与日数制限14日が解除された後には相当シェアを伸ばすことが予想される。メーカーも精神科以外の診療科で気軽に処方してもらうことを狙って宣伝を強化しているように思える。

 しかし、私のボルズィ処方は今のところゼロである。中途覚醒や早朝覚醒がうつ病で多いのに対して、入眠困難は当ブログに何度も書いているように神経症性不眠、つまり不眠恐怖、睡眠への過度のこだわりであることが多い。副作用が少なく日中の仕事に影響が少ない薬剤ではあっても、飲まなくて済むならそれに越したことはない。一般的な睡眠衛生指導や森田療法的アプローチを優先している。「多くの医者は不思議にも、其患者の日常の生活状態や、何時に寝て・何時に起き・其間に如何に睡眠が障害されるか・といふ事を聞きたゞさないで、患者の訴ふるまゝに、不眠と承認して、之に催眠剤を与へるのである。(白揚社:森田正馬全集第7巻 p.401)」ということは避けたい。

2026年5月21日 (木)

神経質礼賛 2467.ナフサ欠乏症(2)

 ナフサの供給が滞り、私たちの生活用品が生産困難になり始めている。ナフサはポリエチレン、樹脂、合成ゴム、合成繊維の材料であるから、前話の医薬品・医療用資材に限らず、家電・衣類・自動車・建材など幅広い分野の生産に打撃が見込まれる。政府はナフサは十分な備蓄があるから心配ないと火消に躍起だが、そんなに楽観視していていいのだろうか。仮にアメリカ・イラン間で停戦が決まってホルムズ海峡の通航ができるようになったとしても、供給不足が解消されるまでには時間がかかりそうである。

   県内では市指定のゴミ袋が不足して一部の地区ではパニック寸前という報道があった。ゴミが出せないとなると生活に甚大な影響がある。一時的に指定袋でなくてもゴミ回収をするとした市もある。病院では今まで1人分の廃棄する紙おむつを入れていた所に2人分を詰め込んで使用枚数を制限しているという話もある。

   インキの不足のためポテトチップのパッケージを白黒にしたメーカーが出て話題になっている。他の食品メーカーでも白黒パッケージに移行する動きがあるという。惣菜など食品のプラスチックパッケージをやめて簡素化したり、ややコストは上がるが供給の心配が少ない紙製品に切り替えたりする動きもみられる。いかに私たちの便利で豊かな生活がナフサに依存していたか、改めて思い知らされた感がある。災害対策も兼ねて、普段から食品に限らず生活必需品のストックはある程度は準備していくことである。もっとも、このあたりは神経質人間が得意とするところである。

2026年5月17日 (日)

神経質礼賛 2466.ナフサ欠乏症(1)

 アメリカ・イスラエルによるイラン攻撃に端を発した戦争がホルムズ海峡を通しての原油輸入に支障をきたし、その結果、ガソリン・軽油・重油などの燃料高騰を招くとともに製品の原料となるナフサの不足をきたしている。ナフサは実に多くの化学製品の原料となっているため、その影響はあらゆる分野に及んでいる。医療分野にも大きな影響が出ている。医薬品製造に影響が出ていて、またまた供給不足となっている医薬品が出ている。特に外科系医療に欠かせないグローブ(医療用プラスチック製手袋)の供給が厳しくなっていて、歯科医院からも在庫が足りなくなってきていると悲鳴が上がっている。ようやく政府も備蓄のグローブを困っている医療機関に供給すると発表した。医師向けのサイトには滅菌パックやカテーテル類や採血・点滴に使う翼状針が入らないという書き込みがある。勤務先の産婦人科クリニックで毎朝行われているミーティングでもグローブをはじめ種々の備品の確保が困難となっている状況が報告される。同席している調剤薬局の薬剤師さんからも窮状が述べられている。ナフサ欠乏症の症状の多彩さを痛感している。

 備品については物によっては大切に使って消費を減らすことができるものもあるけれど、グローブはそうはいかない。感染防止の観点から使い捨てていく必要がある。私が研修医の頃、愛知県内のある精神科病院で当直中、「転倒して頭から出血している人がいるのでナート(縫合)して下さい。準備ができたらまたお呼びします」と病棟から電話があったが、30分待っても続報がない。この病院では医師は病棟の鍵を持たされず、看護スタッフに入口ドアの鍵を開けてもらわなければ入れない。また電話があって行ってみると、古びて茶色く変色して伸びたゴム手袋が用意されていた。煮沸して何度か使ったものだという。嫌な予感がしたが、やはり使っていてすぐに裂けてしまった。縫合糸も煮沸したもので、縫合して結んだ後にちぎれてしまった。今では考えられないことである。

2026年5月14日 (木)

神経質礼賛 2465.オーブントースター

 オーブントースターの具合が悪くなってきた。タイマーのツマミが空回り気味になる時がある。内部の網も少し変形してきている。そろそろ寿命ではないか。このトースターは5年ほど前、義父が我が家に来て同居を始めた時に持ってきたもので、すでに2,3年は使ったものだが、我が家のものよりはまだ綺麗だからと交換して使い始めた。さらにその前のは子供が学生時代にアパートで使っていたが、あまり自炊もしなかったので、もったいないから我が家で使い始めたものだった。

 新しいのを買うとなると使用頻度が高い妻が納得するものにしなくてはならない。設置スペースが限られているので、同じ幅で奥行きもあまり長くないものにする必要がある。同じタイガーの製品で幅が同じで奥行きは8cmほど長くなるが、庫内が広くてピザやグラタンが作りやすいものがあることを調べて、それにしましょうということになった。色も全く同じレッドである。今までのが食パン2枚焼きなのに対して今度のは3枚焼き。消費電力は今までの1000Wから1300Wにアップ。冬場のオイルヒーターやエアコン使用時にブレーカーが上がらないように気を付ける必要がありそうだ。

 オーブントースターの寿命は5~6年程度と言われている。手軽で便利だからアルミホイルを敷いた上でシシャモや小さな干物を焼いたりもして、油が飛んで庫内は汚れやすい。餅を焼いた時にそれが垂れてヒーターを傷めることもある。神経質にパンくず掃除などの手入れを頻回にして大切に使えばもう少し長持ちするのかもしれない。毎日使って10年以上使えているとしたら、オーブントースター使いの達人と言えるだろう。

2026年5月10日 (日)

神経質礼賛 2464.黄金柑

 産婦人科クリニックへの通勤は狐ヶ崎駅から徒歩20分。少し近道も覚えてだいぶ慣れてきた。駅の近くにはほとんど商店がなく、一軒だけ米屋さんがある。仕事帰りに横を通ると、入口のガラス戸越しに、袋入みかんやポンカンが並んでいるのが見えることがある。連休前、黄金柑と書かれた札が目を引いた。この時期の柑橘系はもう夏みかん類ばかりで、はて、どんな果物かなと興味を引いた。小さな黄色の果実がビニール袋に入って300円で売られている。店に入ると御高齢の女性が出て来た。消費税込の値段であることを確認して一袋買ってみる。「もう最後で、傷んでいると悪いから」と比較的大きめの1個を別に手渡された。

 黄金柑は黄蜜柑(きみかん)のことで、収穫量は少なく、スーパーに並ぶことはほとんどないそうだ。神奈川県の特産品「湘南ゴールド」の親品種だという。日向夏(ひゅうがなつ)を小ぶりにしたような感じで、香りは似ていて甘味はやや強いとされる。同じように白い「綿」の部分も食べられる。

 袋には化学肥料・農薬不使用であると書かれている。皮は少々剥きにくく、説明の紙に書いてあるように、ヘタのあたりを切り落としてから、円周方向に剥いてみる。皮を剥いてみてちょっとがっかり。味は悪くないが水分が少ないものが多かった。意外と種もある。収穫時期は2月から4月位らしいから、やはりもう終わりの時期のものだったのだろう。今度見かけたらもう少し早いうちに買ってみることにしよう。

2026年5月 6日 (水)

神経質礼賛 2463.1年半待ちのカード

 前話の枝切り作業を日曜日にも行った。2回位に分けてやろうと思っていたが、もう少し、もう少しとやっているうちに結局一通りできてしまった。1時間位で済ませるつもりが、気が付けば2時間近く経っていた。神経質の欲張りのなせる業である。最後に切った枝を袋詰めしていたら、郵便配達のバイクが止まった。日本医師会の電子認証センターからの速達郵便。本人限定受取郵便(特例型)が郵便局に届いているという通知だった。

 まずは水を一杯飲んで一息ついてから中央郵便局へと歩いて行く。日曜日の郵便受取時間は12:30までだ。その十分前に到着。本人確認にマイナンバーカードを提示して郵便を受け取ることができた。中身はオンライン診察の際に必要となる医師資格証ICカード・・・HPKIカード(2288話)だ。申請したのは1年半近く前。申請時には世界的な半導体不足のため、交付まで半年位かかるという話だったが、その後何の音沙汰もなく、郵送予定のハガキが来たのは先週のことだ。スマホでカードの代用ができるような手続きはしていたが、やはり本物のICカードなしでは心もとない。カードの表記を見ると、発行日が令和6年12月、有効期限は令和11年12月までとなっている。また3年半ほどで再申請をする必要があるということか。マイナンバーカードと同じで後々面倒に思えてしまう。

2026年5月 3日 (日)

神経質礼賛 2462.セルフシルバー人材センター

 3年前にシルバー人材センターに依頼して庭木の枝切をしてもらった(2178話)。その後、剪定を怠っていたら、気が付けば月桂樹とオリーブが高さ5m位まで伸び、西隣家側に大きくはみ出してしまっている。月桂樹は黄色のごく小さな花をたくさん付けてそれが落ちると掃除が厄介だ。姫沙羅も東隣家側に枝を伸ばし、電線にも触れそうになっている。シルバー人材センターにまた依頼するのがよいが、人気が高くて予約が取りにくい。そこで、また自分で少しずつ切っていくことにした。4月の中旬から始めて週2回、市指定の45ℓゴミ袋1~2袋分出している。袋に入るように短くカットするのがなかなかの手間である。道具は何年も前に百円ショップで買った枝切りハサミとプラスチック柄の小さな鋸だけである。始めた時には自分一人でやり切れるのかなあ、と思ったが、少しずつ作業を進めていくと、だんだん先が見えて来た。遅くても小さな行動の積み重ねが着実な成果をもたらすものだ。

   自分自身もシルバーである。以前のようにブロック塀によじ登って作業をするのはもう危険だ。持病のため、続けて作業していると息切れがして、ちょこちょこ休符を入れながらの作業になる。これから暑くなると熱中症が心配だし蚊も出て来るから、連休中に作業を終わらせて、このセルフシルバー人材センターは当分閉店にしたいものだ。

2026年5月 1日 (金)

神経質礼賛 2461.ピカピカの一年生

 真新しいランドセルを背負って登下校するピカピカの一年生を見かけることがある。この前見かけた男の子は横断歩道もない小さな交差点の手前で立ち止まって左右を確認して車が来ていなくても手を挙げて渡っていた。微笑ましい光景であり「純な心」という言葉が思い浮かぶ。学校で教わった通りのことを素直に実行している子なのだろう。

   少子高齢化のため、そして子供たちが外遊びをしなくなって、見かける子供の数はずいぶん減っている。私が子供の頃、街には子供があふれ、路地は子供の遊び場になっていて、近所の子供同士でキャッチボールをしたり道路にチョークのようなもので落書きしたりしたものだ。赤ちゃんがいる家には近所の女の子たちが集まってきて、「抱っこさせてよ」などとねだったものだ。自分の子供たちが小学生の頃は、まだ子供会の活動が盛んで、毎月廃品回収に親たちが駆り出されて私の妻もトラックの荷台の上に乗って新聞紙や雑誌類を集めていたものだ。夏祭り、運動会、遠足など行事も多かった。今年度、町内会の会計担当になって予算を見てみると、なんと予算額ゼロ。子供会は会員数減少のため休止となっていたのだ。時代の変遷を強く感じる。

   森田療法もピカピカの一年生君のように、最初は素直に習ったようにやってみることだ。頭でっかちの神経質は屁理屈を並べて実際の行動がおろそかになりがちなので、気分はともかく四方八方に気を配って仕事に手を出して行動していくようアドバイスしている。しかし、それにこだわり過ぎるとうまくいかないことも出てくる。状況に適した行動が必要な時もある。されど、原則からあまり離れ過ぎても崩れてしまう。そうなった時には初心に立ち返って基本に戻ることも必要になってくる。武道や芸道の「守破離」(598話)なのである。

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