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2026年5月17日 (日)

神経質礼賛 2466.ナフサ欠乏症(1)

 アメリカ・イスラエルによるイラン攻撃に端を発した戦争がホルムズ海峡を通しての原油輸入に支障をきたし、その結果、ガソリン・軽油・重油などの燃料高騰を招くとともに製品の原料となるナフサの不足をきたしている。ナフサは実に多くの化学製品の原料となっているため、その影響はあらゆる分野に及んでいる。医療分野にも大きな影響が出ている。医薬品製造に影響が出ていて、またまた供給不足となっている医薬品が出ている。特に外科系医療に欠かせないグローブ(医療用プラスチック製手袋)の供給が厳しくなっていて、歯科医院からも在庫が足りなくなってきていると悲鳴が上がっている。ようやく政府も備蓄のグローブを困っている医療機関に供給すると発表した。医師向けのサイトには滅菌パックやカテーテル類や採血・点滴に使う翼状針が入らないという書き込みがある。勤務先の産婦人科クリニックで毎朝行われているミーティングでもグローブをはじめ種々の備品の確保が困難となっている状況が報告される。同席している調剤薬局の薬剤師さんからも窮状が述べられている。ナフサ欠乏症の症状の多彩さを痛感している。

 備品については物によっては大切に使って消費を減らすことができるものもあるけれど、グローブはそうはいかない。感染防止の観点から使い捨てていく必要がある。私が研修医の頃、愛知県内のある精神科病院で当直中、「転倒して頭から出血している人がいるのでナート(縫合)して下さい。準備ができたらまたお呼びします」と病棟から電話があったが、30分待っても続報がない。この病院では医師は病棟の鍵を持たされず、看護スタッフに入口ドアの鍵を開けてもらわなければ入れない。また電話があって行ってみると、古びて茶色く変色して伸びたゴム手袋が用意されていた。煮沸して何度か使ったものだという。嫌な予感がしたが、やはり使っていてすぐに裂けてしまった。縫合糸も煮沸したもので、縫合して結んだ後にちぎれてしまった。今では考えられないことである。

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