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2026年7月19日 (日)

神経質礼賛 2487.動物を飼うことの効用(2)

 朝5時頃になると犬の鳴き声が聞こえてくる。犬を連れて散歩する人たちが通り、それに近所の飼い犬が反応して鳴き声バトルが始まる。新聞を取り込みに玄関を出ると、犬と散歩している人と目が合うこともある。このところ厳しい暑さのため日中のアスファルトやコンクリート道路の温度は50℃前後に上昇しているから、犬の散歩は早朝に集中するのだろう。かつては犬の糞が路上に落ちて片付けなくてはいけないことがあったが、最近は飼い主のマナーが向上して糞は持ち帰るようになり、処理の必要はほとんどなくなった。

   通院患者さんでひきこもりがちの人がいるが、犬を飼っているから朝の散歩だけは欠かさず出かけるという話を聞く。動物を飼うことの効用は以前に書いている(1084話)。注意が外に向くことで症状へのこだわりが軽減して健康的になるのだ。だから入院森田療法を行っていた施設では畑の作業だけでなく、小動物の世話という仕事もあった。生き物の世話は神経質の絶好の使いどころである。

 森田正馬先生の診療所では、ニワトリとウサギそしてサルが飼われていた。ニワトリは森田先生の好物の卵を得るためであり、ウサギは毛皮を得る、そしてサルは研究用であった。子犬を捨てようとしたエピソードは以前紹介した通りである(2041話)。

 森田先生の最後の直弟子でのちに湘南病院院長となった竹山恒寿が熱帯魚を持参したところ、「君はこんな物を持ってきて、私が喜ぶと思っているのか。熱帯魚は世話が大変だし、すぐに死ぬのではないか」と周囲の人が竹山に同情するほど、厳しく叱責した、という話が残っている。森田先生の場合、動物はペットではなくあくまでも実用本位であった。

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