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2026年8月27日 (木)

神経質礼賛 2499.メンパ

 8月23日付毎日新聞で心療内科医・海原純子さんの新・心のサプリというコラムに「メンパ、ですか」という見出しの記事があった。聞きなれない言葉である。メンパというと私の頭に思い浮かぶのは木製で漆塗りされた丸型あるいは小判型の弁当箱。元々は山仕事をする人たちが使っていたもので、当地では井川地区で作られる郷土工芸品「井川メンパ」が知られている。もちろん、それではない。最近よく使われるようになったコスパやタイパと同様、メンタルパフォーマンスの省略語らしい。心の負担を最小限に抑えてフォーマンスを最大にする、心の平穏を重視する考え方や行動のことだそうだ。例えば買物の際に膨大な情報のなかから選択しなければならない疲労や、後悔、失敗への不安といったストレスが存在する。そこで、迷わず決められる状態を重視する考え方がメンパ重視ということになる。

 神経質人間はコスパやタイパを気にしやすい。そして、その判断に時間や労力をかけ過ぎるきらいがある。下手をすると損得勘定や手間を計算し過ぎて、何もしないで終わってしまうこともよくある。メンパの見地からするとよろしくないということになるだろう。この御時世、それこそ選択判断をすべてAIに任せておけば、大きなハズレはなく、心の平穏が保てるかも知れない。将棋でも囲碁でもAIがトッププロよりも的確な判断をしてくれるのだから。そうすればメンパ最高!となりそうだ。しかし、それでは面白くないではないか。迷って自分で選ぶところに価値があるのではないだろうか。時には失敗して悔しい思いをするのも悪いばかりでもない。

   森田正馬先生の色紙に「不安心は用心の安心にして 失敗は改良の喜びなり」と書かれたものがある(1770話)。不安は人生を用心深く生きるために不可欠なものである。失敗もつきものであり、そこで改良を重ねて成功すれば限りない喜びとなる、ということなのである。

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