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2026年9月17日 (木)

神経質礼賛 2506.実行第一

 精神科クリニックの上の階には就労移行支援施設があって、生活訓練や就労・定着支援などを行なっている。そこからの依頼で先月と今月、1回ずつ「生活に役立つ森田療法の智恵」と題する話をさせていただいた。定期的に通所している方が多く、精神科病院のデイケアに比べると、より就労に近いレベルの方が多いような印象がある。もっとも、1回や2回の話で実際に理解していただけるわけではなく、困った場面で森田療法的アプローチを実行して体験的理解をしていただいて身に付いてくるものだと思っている。

 症状や気分をいじろうとせず、それらはそのままにして(⇒あるがまま)、やるべきことをやっていく(⇒行動本位)、という姿勢が大きな変化を起こす。森田先生の時代から、「理屈はわかるが実行できない」と訴える人はいた(1742話)。森田先生は患者さんたちの前で「実行」という言葉を繰り返し述べておられていた。理屈ではない。行動した人はどんどん良くなっていく。実行第一なのである。気が進まなくてもとにかく少しでもいいから手を出してみることが秘訣である。どうかすると「やるべき仕事がない」と言う人もいるが、「見た所に仕事あり」「仕事を探すのも仕事のうち」であって、探せばいくらでもやることは見つかる。

   私はこのような文章を1か月に10話書いているけれど、正直言って、書く気が起きないとか書きたいことが全く頭に浮かばないとかで困ったな、ということはよくある。そんな時でもちょっと頭に浮かんだことで仮の題名を付けて文章を少し書き始めてみて保存しておく。すると、やはりそのことが頭の片隅にあるためか、後から「こんなことを書こうかな」とアイデアも浮かんでくるので、ぼちぼち書き連ねていくのである。自転車を漕ぎ始める最初は大変だけれども、動き出してしまえばスイスイ走っていけるのと同じだ。

2026年9月13日 (日)

神経質礼賛 2505.クロイツェルソナタ

 アマチュア・アンサンブルの日の演奏まで2か月余りとなった。この前の日曜日に雨の中、ヴァイオリンケースをおんぶして濡らさないよう気を付けながらバスに乗って行き、友人宅で練習。友人は「来年はベートーヴェン没後200年だから、ベートーヴェンだね」と言い、早くも来年の曲目を考えている。3年前の演奏でベートーヴェンのスプリングソナタ第1楽章を演奏しているから、ソナタで言えばクロイツェルソナタが狙いどころだ。第1楽章はヴァイオリン無伴奏の重音でゆったりと始まるが、速いテンポのフレーズが出て来てテンションが上がってくる。二人で第1楽章を何とか無理やり通して弾いてみた。すばらしい名曲だけれども、この曲を人前で弾くレベルまで持っていくにはかなりの練習量が必要だと感じた。ピアノパートも難曲だし、合わせの練習が相当必要になりそうだ。やはりちょっと無理だね、高校生の時に一緒に弾いたことのあるロマンス第2番へ長調あたりが無難だろう、ということになった。

 クロイツェルソナタはベートーヴェン作曲ヴァイオリンソナタ第9番イ長調の通称であり、第5番ヘ長調のスプリングソナタとともに有名である。大規模な作品で演奏時間は30分以上になり、ヴァイオリンソナタの最高峰と言われる。ベートーヴェン自身は「ほとんど協奏曲のように相競って演奏されるヴァイオリン助奏つきのピアノソナタ」と題した。初演はベートーヴェンがピアノを弾き、ヴァイオリンはジョージ・ブリッジタワーが弾いた。当初はこのブリッジタワーに献呈するつもりだったが、ある女性を巡ってベートーヴェンと不仲になったということがあって、別の有名なヴァイオリニストのクロイツェルに献呈された。しかし、クロイツェルがこの曲を演奏することはなかったという。この曲に触発された文豪トルストイは『クロイツェル・ソナタ』と題する小説を書いている。

 クロイツェルソナタは無理にしても、できればあと1回か2回出場したい。果たして1年後に今の体調が何とか維持できていて楽器が弾ける状態かどうか怪しいものであるが、「生の欲望」に沿って生き尽くして行こうと思う。

2026年9月10日 (木)

神経質礼賛 2504.長傘

 ここ一週間、台風、それから変わった熱帯低気圧・温帯低気圧の影響で雨が続き、連日長傘の出番である。透明なビニール傘が見通しが良くて軽くて便利であるけれど、商店に入った時に傘立てに置いておくと持って行かれてしまいやすく、気が付いたら他の人の古いボロボロ傘が残っていたというような目に遭いやすい。また、強風により一発でダメになりやすい。いつも使っているのは布製の長傘である。神経質らしく、常に1本予備を用意しておき、1~2年で大雨の時に漏るようになったり、骨が曲がったりした時に新調している。いつも同じ青と緑のチェック柄。先端は金属製でなく安全なプラスチック製を選ぶ。ホームセンターで千円以下の物を買っている。

   今回は珍しい壊れ方だった。使わない時に閉じておくための帯のマジックテープが全壊してしまったのだ。傘そのものはまだ使えるけれど、この帯が留められなくなると、意外と不便である。2年ほど使っていて、そろそろ本体も寿命かな、という感じなので、不燃ごみ回収の日に他の物と一緒に出した。今度の傘は一見同じであるが、帯留めがマジックテープではなく、スナップだった。買う時にそこまでチェックしなかった。他に、ボタンで留めるタイプもある。どれが使いやすく耐久性があるだろうか。あまり手を濡らさずに手早く留めることができるという点ではマジックテープに軍配が上がりそうである。ボタンはちょっと手間がかかるが傷みにくいかも知れない。女性用の傘だとデザイン的に洒落たボタンがいいかも知れない。しばらく使ったら次の予備傘を買う時にどれを選ぶか考えてみるとしよう。

2026年9月 6日 (日)

神経質礼賛 2503.明細書の電子化

 昨年の秋に郵便料金が値上げされた前後から、従来は無料で郵送されてきた明細書の類が電子化されつつある。郵送を希望する場合は別途料金が必要となると、仕方なしに電子化を受け入れる人がほとんどだろう。電気料金の明細はすでに電子化されていて、クレジットカードの使用明細も順次電子化されてきた。それぞれパスワードを登録してパソコンやスマホで管理しなくてはならないから手間がかかる。パスワードは何だっけ、ということになりかねない。

 今年度・来年度の2年間わが家が町内会の会計担当である。4月・5月は町内会費集めがなかなか忙しかった。事業所・店舗・駐車場・空家所有者には請求書を作って郵送し、時には電話連絡をしていた。各組の組長さんから集金されてきたものを町内にある信用金庫本店の口座に入金。一通り終わってやれやれだ。あとはマンションの管理会社が家賃に町内会費を加えたものを住人の口座から引き落としていて、毎月、町内会の口座に振り込んでくるというパターンもある。ところが、その管理会社が紙の明細書の郵送をやめるので、「自治会費お支払い明細WEB」に登録するようにという文書が送られてきた。やむをえない。パスワードを決めて登録する。今までは郵送された明細書を証拠として貼り付け保存していたが、これからは会計担当が自宅のパソコンでプリントアウトして記録を残していくことになる。紙の書類をなくして電子化すればスマートとも限らない。どこかにしわ寄せが行く場合もあるものだ。今のところ町内会の別口座から引き落とされる道路の街灯の電気代は明細が送られてきているが、これもWEBになるのは時間の問題であろう。担当引継の際にはパスワードなどの管理引継も必要になってくる。

2026年9月 3日 (木)

神経質礼賛 2502.動き始めればしめたもの

 せっかくの休日だけれども暑くて何もする気がしない、どこかへ出かける気もしない、そんな方も多いのではないだろうか。若い方だとスマホの動画を何となく見続けたりゲームをしたりして時間が過ぎて行くという話をよく聞く。私もあまり人のことは言えない。以前からやらなくては、と思っていることを「まあいいや」「いつかやろう」と先送りしていることもある。部屋の中は物があふれて片付かない。

 昔、子供に買ってあげた学研の「大人の科学」の電子ブロックと光実験拡張キット。まだ綺麗な状態で捨てるのはもったいないし、暇な時に自分でも使ってみようと思いながら十年以上全く使っていない。ということは今後使う可能性は全くない。思い切って捨てることにした。箱は燃えるゴミだが、ゴミ袋にはまだまだいろいろ入りそうだ。この夏、枝が伸びた月桂樹とオリーブの枝を切って同じ袋に入れる。次の燃えるゴミの日に捨てられる。キット本体や電子部品は燃えないゴミになるので、それらをまとめる。不燃ゴミはある程度ためてから市の回収センターに電話予約する必要がある。探せばいくらでも一緒に処分するものが見つかるものだ。まだ捨てるのはもったいないと取ってあったACアダプター類や使っていないケーブル類もたまっていた。それらをまとめてから市に電話する。いつも混んでいて1回で電話が繋がることはなく、時間をおいて2回、3回、4回とかけ直す必要があるが、この日は運よく2回目で繋がった。

 森田先生が言われた「神経質は重い車」の通り、手間を考えて面倒だなあと思うとなかなか動けない。しかし、ちょっと手を出して一旦動き始めればしめたもの。自然に仕事の連鎖が続いていくものであり、気が付けばいろいろとはかどっている。

2026年9月 1日 (火)

神経質礼賛 2501.現代アート展

 前話の犀が崖から浜松市美術館までは近いが、暑さが厳しいし、バス停のバス接近ランプが点いていたので、来たバスに乗った。運転席すぐ後ろの席に座ってあらかじめ両替をしておくのが神経質のなせる業だ。

 浜松城公園に入ってすぐ、木立の中に美術館が見えてくる。「いま、私は現代アートと出会う」というテーマで草間彌生、奈良美智、村上隆、ウォーホル、バンクシーなどの作品が展示されていた。会場に入ると草間彌生の水玉模様が印象的なPumpkin(カボチャ)が出迎えてくれる。草間作品が6点並んでいた。草間さんは先月97歳で亡くなられている。アニッシュ・カプーアのEclipseは不思議な作品だ。凹面鏡2枚が直角に配置され、室内が映されるが、見る位置によっては鏡と鏡の間に膜のような虚像が映し出される。どうしてこんな虚像ができるのか、ちょっと考えても思いつかない。美術作品というより科学館に展示した方が良いのではという気もする。チケットにも印刷されている奈良美智の「Ash Night」に描かれた女の子のイメージは強烈である。頭に焼き付いてしまう。石田徹也の「無題(2)」にも目を引き付けられた。大きな作品であり、8人ほどの自分が描かれ、同じ表情でコンビニで買った物を食べながらいろいろなことをしているが他の「自分」には無関心そうである。石田徹也の作品は静岡県立美術館が所蔵しているものが多く、代表作「飛べなくなった人」にみられるように自己不全感や疎外感が漂っていて、見る者の心に刺さってくる。バンクシーの「Avon and Somerset Constabulary」は双眼鏡で何かを探している警官2人。落書きに目を光らせる警察への批判だと言われている。夏休みの最後とあって、小中学生たちで賑わっていた。しばし非日常の世界に浸ることができた。

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