神経質礼賛 1828.甘酒(2)
長年、病院で働いていると、患者さんと同じ病院食を食べ続けることになる。私は県外の病院で働いたのは沖縄の病院だけだ。そこでは沖縄の郷土料理がよく出たものだ。豚足を煮込んだ「てぃびち」は骨付きなので、患者さんが誤って喉に詰まらせて大騒ぎになってことがある。麺類と言えば「沖縄そば」だったし、「ジューシー」という炊き込みご飯、ハリセンボンの「あばさー汁」も出た。それから30年近く経っているから、今ではこちらと変わりない病院食になっているかもしれない。
同じ県内でも所変われば味変わる。今の病院に移って一番違いを感じるのがカレーだ。今まで家のカレー、レトルトカレー、食堂のカレー、学食のカレー、多くの病院食のカレーを食べてきて、どれもおいしく感じていたのだが、ここのはどうも馴染めない。ある時、栄養士さんに聞いてみたら業務用のルーを使っているとのことだし、職員さんたちも「美味しい」といって食べている。私がおかしいのだろうか。謎である。
そして、不思議なのは、時々甘酒(758話)が出ることである。それを味噌汁のお椀で飲む。昨日も焼魚・肉じゃが・椎茸煮・野菜の和え物というメニューに甘酒が付いてきた。甘酒は栄養価が高く、「飲む点滴」と言われているくらいだから、病院食に出てもおかしくないのだろう。しかし、寒い時期に寺社拝観の帰りに近くの茶店で冷えた体を温めてくれる甘酒の方が似つかわしい。また京都に行ける日が来るのが待ち遠しい。
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